K君は、ガラスケースの無菌箱にいつも入っていて
いつも寝ている
私たちが、ガラスをコツコツと叩くと
私たちが、声をかけると
右手の指先がかすかに震え
唇が少し笑ったようになる
K君は生きていて
心が通う
ある日
K君は声をかけても
ガラスをコツコツ叩いても
チットモ動かなくなりました
そう、K君は死んだのです
いつも威張り散らしている
感じの悪い
大金持ちの
K君のおかあさんとおとうさんが
大声で泣いている
K君は死んで初めて
ガラスケースの無菌箱から出て
本当の空気を吸ったのだ
初めて、おかあさんとおとうさんに触ったのだ
私たちはそんな風景を見て
遠巻きに
K君が死んで
とても悲しくなりました
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