昨日
市ヶ谷のJICAで行われた
ボルネオのサラワク州の熱帯雨林の伐採による環境破壊と先住民の社会的迫害について実際の先住民の方によるレクチャーを聞きに行きました
先住民の方の意見は生まれて初めて生で聞きました
ちゃんとした英語でスピーチされ
先住民の方の知的レベルの高さと教育程度の高さ
環境意識の高さに大変驚き
肌で熱帯雨林の破壊について触れることが出来ました
日本国内の森林は荒れていて
木材利用促進法の制定もあり
建築デザインに国産材や県産材を使うことが大変増えました
また、海外の木材利用にあたっては
FSCなど認証森林材をできるだけ使うようにもなりました
怪しい木材材料は、値段が極端に安く
すぐに怪しいとわかりますし
デザイナーはそのような木材は使いません
しかし日本の山の森林は急峻で狭く伐採や運搬に費用が掛かり
海外の認証森林材にはコスト面で競争になりません
TPPなどグローバル経済になり
国産材、県産材利用が続くかどうか大変懸念しています
地産地消の危機です
市場原理がすべての原理だと私は思っていません
コングロマリットをもうけさせるのみです
熱帯雨林の伐採は
社会的、経済的、政治的問題を多く含み
人間の基本的人権の問題でもあります
日本でもほとんどなくなった、白川郷のような人工林と自然林と集落の調和した
コンバインされた環境に
工業もコンバインした姿が具体的なサラワクの理想の絵姿でしょうが
なかなか難しそうです
サラワクの木材輸出量のほとんどが日本向けです
特にプライウッドがメインですので
コンクリート型枠のありかたについて
日本のデザイナーは知恵を絞らなければいけないと思いました
最後に、女性の方のスピーチで
「森は全てが揃うスーパーマーケットなのだ!!」と言った言葉がとても印象に残りました
また、JICAの展示コーナーやパンフレットを見ましたが
もう、今の中国がやっているような、箱物の援助は主流ではないのですね!!
どうりで、わが社にODAの箱物の設計の仕事がないわけです
人間の知識や能力、ソフトパワーの援助が主流になっています
確かに、先住民の方の高い知的レベルと高い教育程度の社会ですと
そのような援助になると思います
それに環境配慮を含めた援助をすべきです
排出権取引だけではない、もっと環境や人権に配慮した実質的なビジネスが求められています
箱物やインフラの援助のような短期間にワッと儲けるのではなく
儲けや見返りは少ないが
細く長く、持続可能な援助や支援、ビジネスが求められているのが分かりました
そういうビジネスが最後には勝利するでしょう