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2011年5月17日火曜日

高校生の詩だな

自分の城壁


壁の向こうに薔薇色の夢がある
すすけた狭い路地裏には、片道四車線の広いアスファルトの道がある
その向こうにはハイウェイ
その上を車が快よく走る


空は真青だった
路地は黒と灰で囲まれている
袋小路の突き当たりに一筋の光がある
そこに目の飛び出した男
下を向いてこちらに歩いて来る
「ここは突き当りだよ」
男は口を大きくあけ、よだれをたらした
「ワッハッハ」
―男は消えた


突き当たりにある光はあたりをさらけ出す




壁を押してみる
秘密の扉は開かれた
が、再び細く暗い路地の世界があった


アパートの女が言った
「洗濯物が汚れるでねえか!」


路地裏の死体が僅かな青空を見つめている
高速道路には相変らず車が走り
裏通りも車で賑やかだ


2011年5月14日土曜日

高校生だな

A.D.一九七二年三月二十四日金曜日午後十一時三十九分四十秒 BWV

大衆食道で『総カツだ』と言ったら、店の人はびっくりする
おれのおやじは総括課にいる
赤軍はした
おれは今日西ドイツに行った
工場とビルが多かった
でも、ヘドバとダビデが路上で歌っていたのはなぜ?
両側には白い階段があったっけ
誰も入らないバスルームには
十個の扉があった
埃でいっぱいだった
眠たい
もう四十六分だ
馬鹿にされるから
岡山の吉備団子を食べた
ラーメンの汁をこぼし
大切な茶碗を割った
である




冬の間おさまっていたは平気かな
薬はなくなってしまった
発車が少し遅い
喧嘩をしなければよかった
おれは少し被害妄想かもしれない
もっと時間を有効に使おう!
スキーに行きたいな
この変な癖をなくさなくては
殺してやる!
吐き気がする
すしの食い過ぎだ
だめだなぁ
酒が飲みたい
イヤイヤ
鼻息が荒くなり
眠ってしまう
今日も夢の中で




女と寝るのである
僕たちは地下三十階の恋
貧しい汚れた機械の間で
早く抱き合って寝たい
ふとんを敷く事さえ煩わしい
とにかく眠りたい
もう二十五日になってしまう
妹はまだ起きている
気まずいなー
扉をあけるとなつかしい故郷であった
今十二時だ
かわいそう
金がほしい
だれがあんな噂を流したのか
入らなければよかった
人々は気楽だ
すごいフケだ
ギターはうるさい




騒音だ!
おやじはいい人だ
中年らしい、いい人だ
良識もある
彼女のどこがいいのさ
ハハハ
フフフ
ヘヘヘ
ホホホ
ヒヒヒ
アー!
アー!
グーグーグー
スヤスヤスヤ
眠るのがなんたっていい

2011年5月11日水曜日

深夜の大学の受験勉強の合間にインスタントラーメンを食べた際に創った詩です

インスタントラーメン

夜中、勉強の後でラーメンを食う
ツルツル…
ボソボソ…
だあれもいない台所
僕の大好物
蛍光灯がテーブルを照らす
ムシャムシャ…
ボソボソ…
いける味だ
お汁をツーツー
「満腹、満腹」
と、吐き気がする

一息ついてラジオをかける

―音楽―

又、机にむかう
ラーメンが胃に浮かぶ
のどに味が残っている


腸で汁がグルグル回っている
と、再び吐き気

あすは『駅前らーめん』
あさっては『チャルメラ』
しあさっては『道産子ラーメン』

ラーメンタイムは寂しい

2011年5月10日火曜日

同じく、高校時代に乗鞍高原にスキーに行きリフトに乗った時創った詩です

リフト

リフトに乗ると
銀色でものものしい装置を付けた
宇宙船に乗っているみたい
そこから地上をのぞいているみたい
ヒマラヤ山脈に東京
それにアフリカ大陸が目前に迫ってくる
高い山々はみな雪をかぶっている

横を見やれば
みんながスキーをしている
「うまいなー、パラレルができる」
前はつまらない
後ろもつまらない
下を見るのがいい
見知らぬ星に探検に来たみたい



あのゴタゴタとした鉄柱がなければ
もっと、現実味があるのに

シュプールは運河
宇宙船の高度も変わる
ただ今降下中
ただ今上昇中

…足が地面に着いた

2011年5月8日日曜日

高校1年の時友人たちと乗鞍高原にスキーに行ってリフトに乗った時創りました


 雲さん

雲は私と同じ高さ
私は君にすばらしい贈物をあげよう
灰色の私は風に吹かれ谷にはさまれ
あの残酷な砂漠で消滅してしまう

白い贈物はいかがでしたか
人々はまだ楽しんでいるのですよ

雲は私と同じ高さ

2011年5月7日土曜日

創った詳細は不明です

希望(アンチ=ソング)

私は精神病院に今入院している
そこの小さな畑で農耕を営むこの楽しさよ!
この満ち足りた気持ちよ!

都会は私に何ものも、もたらさず
私をだいなしにしただけだった

病院は平和な丘の上にある
健康的だ!
鳥は鳴き
日射しは暖かく
土地は肥え
食事や住宅の心配はいらない
衣服も充分だ
警備員が常時いて、とても安全だ
おまけに火災報知機もある
ドクターが付き添ってくれる
バスルームもある


バカ太郎は刑務所に行った
今日、彼から手紙が届いた
簡単なものだったが
それによると
「生活は快適だが、少々労働が厳しい」
とあった

それにくらべ
ここはまさしくユートピア
私は今、自由を満喫している

2011年5月6日金曜日

中学の担任だった先生と親友の名を合わせたタイトルにしました

木村一夫 

彼は、子供の時から目立たない
特徴のない
陰の男であった
それがこの街に来て、工員になったとさ
学校もろくに出ていない
女にはもてない奴がだ

そう、嘲笑の渦

彼は大人になって、始めて、我身の『のうたりん』に気づき
暇だったから反逆を試みた

東京と大阪に水素爆弾を落とし
ジャンボジェットをミサイルで十機墜落させ
銀座で機関銃を乱射し
新幹線を大脱線させ

しかし

それ程の彼がなぜ?
地下鉄東西線の九段下駅で自殺してしまったのだ

彼の血は線路づたいに流れ出たという

2011年5月5日木曜日

高校生の時、渋谷発御茶ノ水行のバスの中で創った詩です

バスの中で
 
さあ、もう着くぞ
「ちょっとすみません」
―足ぐらいどけてくれればいいのに―

運転手が急ブレーキをかけた
僕は前に飛び出した
灰色のコートを着た男にぶつかって止まった
男は表情ひとつ変えない
耳の後ろで声がする
「ぶっ飛んだなあ」
「坊や、あぶないから窓を閉めなさい」
「ほんとに、あぶなかったですねぇ」

バスは交差点で止まった
見覚えのある景色だ

ドアがあくと、僕はそそくさ出ていった
こんな気まずい思いをして
故郷に帰るとは…

2011年5月4日水曜日

中学卒業の時の詩です

 卒業

消えた消えた
おれの軽蔑していた奴も
おれの親しい友も
おれの尊敬していない奴も

みんな消えちゃった
とてもスッキリしちゃった

おれの欠点を知る奴は消えてしまう
とてもスッキリしちゃった
未来は純白だ

2011年5月3日火曜日

小学生の時、いつも寝床で思っていたことを中学生の時詩にしています

川崎のアパート

僕は今、とても健康

元気です

でも枕の底から足音が聞こえてくる
過去のイメージから
黒のフロックコートを着た男がやってくる

幅の狭いアパートの階段を
際限もなく
際限のない階段を
際限もなく高いアパートを

たった一人で登ってくる
「ほら」
また体の向きを変えた

ザクザク
ザクザク


だれかな?

彼は
最上階にある僕の部屋に
何か用でもあるのだろうか?
彼の到着で僕はどうなるのだろうか?
僕を殺しにくるのかな?

僕の鼓動と彼の足音は比例している
だから鼓動を早めると彼は早足になり
僕の所へ早く到着してしまう
もうかれこれ一割がた登ってしまっている
地上から遠ざかっているぞ

彼は決して休まない
食事もとらない
睡眠もとらない


ザクザク
ザクザク

だれにも会わない暗い階段
彼が私の耳まで登りつめ
足音を止めて
かん高い音でドアをノックしたら
私は死ぬ

2011年5月1日日曜日

中学生の頃の昼下がりの光景かな?

 休日

休日には笑顔といこいがいい
強い光に写し出された
青い海と青い空に応じるにはそれがいい
都会でのしかめっつらはやめて
笑顔といこいを持て
白い雲に白い砂浜
ありきたりの言葉だけど
たまには酒がしみついた君の背広を
その上で焼いてごらん
とってもいい香りがするよ
そうさ
ポールモーリアの「エーゲ海の真珠」でも耳にしていれば抜群さ
半島には銀色の管が無数に見え
海には白と緑の船が浮かぶ
車は速く
ハンドルは宙を駆ける
映画スター気取りで


青い海と
小さな町を
いくつもいくつも通りすごしてごらん
少しは罪の意識でも感じるかい?

休日はいい
笑顔といこいがある