夜の地下駐車場で
蛍光燈で反射した扉を開くと
狭い通路があり
『八重洲地下街へ』
『東京駅へ』
『鉄鋼ビルへ』
と、三つの標識があった
これは、地下街へゆく道
これは、駅へゆく道
これは、ビルへゆく道
人の気配は料金所だけ
年老いたチケット係が二人
夢の中で動めいて
疲れ切った様子をしていた
核
今、白い羽を生やし
君の所へ飛んで行きたい
でも、足首を黒い悪魔に握られて
飛ぶことができない
光を失った広告看板のように
全ては黒ずんで醜くなった
爆発は終わりの象徴
人類最終戦争の後の世界のように
風の谷のナウシカのように
放射能で満ちた世界に
人々は口にマスクをして生きている
見ることのできない悪魔は
角砂糖4個でこの地球上の生命を全て死滅さす
不幸にしたり不安にさせたりして
ジワジワと私を殺していく
街は屍で満ち溢れ
もう誰もいない
みんな死んでしまった世界
悪魔に魂を売った我々は
全滅した