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2012年2月27日月曜日

宮崎から鹿児島まで、深夜の徹夜ドライブ

二十四時のドライブ



木々は黙っていて

僕らに妨害を与えなかった

光るテールランプは遠く

急速に近づき

急速に遠ざかる

白いラインは輝き

道はどこまでも黒く黒く

暗い世界へと通じている

白いボディーに青いラインの入ったギャランには

女が二人と

男が三人

男がハンドルを握り

この世をはかなむ最後の人類のように

ゆるく波打つ灰色の海を軽快にゆく



軽快に

軽快に







流れ星

小さな町

信号機

満艦飾りのトラック野郎

透明な光のドライブ=イン



時速は百五十キロメートルを越え

平板な音楽で心は満ちてゆく

バート=バカラック

カーペンターズ

フィスディメンション

明日にかける橋

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不思議な音を反響させる

車はいない

対向車はいない

追い越す者もいない



僕たちだけの世界ができた







ハードトップの

魚のような窓から入る冷たい大気

そして、平板な音はそこから抜け出る

速度のある黒い風は

我われから記憶を運び去り

感覚を奪う

それが頭脳を完全に吹き飛ばした

ただ

十と一の加速度が交互に感じられるだけ



信号はない

カーブはない

踏切はない

ただ

黒いアスファルトのベトベトする道を

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