祭りも終わりに近づく頃
日も暮れて
高窓から入る光は
いよいよ赤くなり
床を照らす光はいよいよ弱くなり
人々が降りてゆく
連れ立って
下にゆく
机を持ったまま
とまどうばかりだった
中村と木口は部屋にはいない
見物人は外に粘出されてゆく
日は暮れて
すりガラスを赤くする
終わりに近づくと
華やかな店は
その色彩を灰色にする
広場の光はいよいよ弱くなり
人々の足はいよいよ速くなり
螢光灯が
赤い夕方の光線に取って代わると
祭りもいよいよ終わり
日は落ちて
窓は黒となし
床は灰となし
まだ机をかかえたまま
見物人は去り
仲間がせっせと机を運ぶ
「おい、中村と木口、机を運べよ」
机を持った人間の群れの中を
緑のセーターに
紺色のパンタロンをはいた女が
机を避け
体をくねらせながら
やって来る
目の前に立ち止まって言った
「それ、私に渡して!」
祭りの終わりが終わった頃
全ては黒となし
「ねえ、地下鉄で帰らない?」「ええ」
というふうに
おきまりの会話がかわされる
0 件のコメント:
コメントを投稿