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2012年1月11日水曜日

私が死ぬときはこうなのかなあ


私の最後



この35年間、止まらないポンプのように働いてきた

それも今日で終わる

私がいなくなっても

誰が気づいてくれよう



今日は明日の娘の結婚式の前日なので

先客万来だ

妹の由紀子が来た

正和おじちゃんが来た

友達の大塚さんが来た

仲人の田中さんが来た

隣の木村さん、村山さんが来た

友人の佐野さん、米倉さんが来た

友人の塚本さんが来た

小学校の校長だった木田先生が来た

内山さん、藤内さん、中山さんが来た

ピアノの先生が来た

森田さんが来た

みんなお祝いを持ってきて「おめでとう」

お茶を出しておしゃべりする

なにもかも一人でやるので

忙しくて目が回りそうだ

本当に、賑やかで華やかな日だ

彼が来て、娘はチョット出かける

くたびれてさみしがる時間もない



結婚式当日

私は娘と腕を組んでバージンロードを歩く

ベールを上げてキス



仲人挨拶

ウェディングケーキカット

乾杯

祝辞

キャンドルサービス

花束贈呈

お礼



お開き



私は、一人夜の街をタクシーに居た

家に着くと、タクシーは音もなくウィンカーを点滅させ

私は、疲れた体を、花束と共に降りる



建てつけの悪いドアを鍵でこじ開け

誰もいない

冷え切った部屋の中に身を投じる



おかあさん

ついに一人きりになったよ



私を照らすスポットライトの光は次第にフェィドアウトし

やがて私は暗闇に消えていってしまった

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