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2012年3月11日日曜日

旅から東京へ帰る車窓

進入



街は眠り込んでいた

あの麻薬の狂乱もおさまり

静かに眠り込んでいた

混乱は氷のように固まっていたが

それも

もう

溶け始めている



車窓からは

街は

そう見えた



黒っぽい

すすけた家の中には

あと二時間もすると

街の中心へと向かう人々が

眠っているのだろう



窓の水滴の向こうにある

僕の灰色のビル





窓の水滴を払って

のぞいてみた

僕の灰色のビル



早朝のネオンは

この街の目覚まし時計さ

この街に光る

水銀灯の列は

その文字板さ

そんな中を

急がしく反復するぜんまいのように

音もなく

一台の車が走ってゆく



駅に着いて

自動販売機に硬化を入れた時

僕は再び

この街の住人になった

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