街は眠り込んでいた
あの麻薬の狂乱もおさまり
静かに眠り込んでいた
混乱は氷のように固まっていたが
それも
もう
溶け始めている
車窓からは
街は
そう見えた
黒っぽい
すすけた家の中には
あと二時間もすると
街の中心へと向かう人々が
眠っているのだろう
窓の水滴の向こうにある
僕の灰色のビル
窓の水滴を払って
のぞいてみた
僕の灰色のビル
早朝のネオンは
この街の目覚まし時計さ
この街に光る
水銀灯の列は
その文字板さ
そんな中を
急がしく反復するぜんまいのように
音もなく
一台の車が走ってゆく
駅に着いて
自動販売機に硬化を入れた時
僕は再び
この街の住人になった
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