夕立ち
夕立ちが降ってきた
汗線のたくさんある
乾いたアスファルトは
救いの手を差し延べるのだ
そのグロテスクで
カサカサの皮膚は
水にうるえて黒くなる
灰から黒になる
満足して
湯気が立ち
アスファルトは熱気にあふれる
そのうちに全てが黒になる
汗線のボツボツは水にうるえる
しっとりとした肌ざわりになる
そのうちに毛が生えてくる
だんだん生えてくる
どんどん生えてくる
歩道も車道も毛で埋まる
どんどんのびる
ますますのびる
人の足にからみつき
タイヤを溶かす
そして分裂を開始する
街中毛で埋まった
真黒になった
そして毛と毛がからみ合い
ニョキニョキニョキと天にむかう
ニョキニョキニョキ
ニョキニョキニョキ
毛はときどき風で振り乱れた
もう木々の緑さえなく
毛は灰と緑さえも食べてしまった
アスファルトの汗線から
毛はスーッ スーッとのびる
下界は蒸せる暑さ
毛は海面に浮かび
山の木々を食べ
都市を奪った
この熱気
夕立はまだやまない
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